日本のみなさんへ
いま私がどんなに日本という国に対する尊敬の念を強めているかを、この場を通じてみなさんに是非お伝えしたい。日本国内観測史上最大の地震、そして津波の結果、すべてを失い、先行きの見えないきわめて不安な状況下にあって、なおも日本の人々が困難に立ち向かうさまは、世界中の人々に対して人間のあるべき姿を示している、と私は感じる。妻エスネと私は、そのような多くの日本の友人にめぐまれていることを誇りに思う。
この災害が起きたとき、私は日本に不在であった。奇妙に聞こえるかもしれないが、私はそのことについて、いささか罪悪感を感じている。おそらくはほぼ半世紀にわたる日本の命運と、私自身の人生とが、それほどまでに密接に結びついているからなのだろう。事実、つい先ごろ、私は新しい本を日本で出版したばかりである。実のところ私が日本を留守にしている理由は、生まれて初めて自分が父親になったことにある。息子セバスチャン・ヴァン・ウォルフレンが誕生したのだ。そしていまエスネと私は、息子セバスチャンにも日本と、そして日本の人々と深くかかわるようになってほしいと心から望んでやまない。
カレル・ヴァン・ウォルフレン
このウェブサイトは日本の読者のみなさんとの新しい触れ合いの場として設けたものです。みなさんの声を聞くことは、私にとって大きな喜びのひとつです。私はおよそ20年にわたり、著書やコラム、寄稿記事やインタビュー、さらには日本各地での講演を通じて読者のみなさんと触れ合ってきました。とくに楽しかったのは、みなさんと直接語り合う機会が持てる講演で、共通の関心事に関するご質問や私の考えに対するご批判について楽しいやりとりを重ねてきました。
私は現在、国際政治の重要なテーマについて本を書いています。かつて「自由世界」と呼ばれていた国々のリーダーの座をアメリカが残念ながら失ったことについてです。徳間書店から刊行される予定のこの本が、夏になる前にお手に取っていただけるようになることを願っています。
『日本/権力構造の謎』を刊行してからの10年間に私がとくに日本の読者のために書いた本に親しんでくださっている方ならおわかりでしょうが、真の意味で内閣主導の政府をつくろうとしている民主党の試みを、私は今、大きな関心と期待をもって見つめています。日本の行動する政治家たちのこの新しい集団が着手している課題は、その多くが私の指摘してきた問題そのものです。過去数ヵ月の寄稿記事や講演で述べたように、民主党が達成しようとしていることを妨げる障害は数え切れないほどあります。日本の政治シーンに今現在、起きていることは、誇張抜きでまったく前例のないことだと言える
でしょう。民主党が日本のために行おうとしていることを見事に成し遂げたら、それは世界全体でも最も好ましい政治的展開のひとつになるでしょう。
このサイトを開設したのは、みなさんからフィードバックがいただけるよう、その手段を提供するためです。また、現在起きていることについて私の見方をより詳しくお知らせするとともに、私の著作に関連のある新しい情報やリンク先をまとめた公式サイトを提供するためでもあります。
私が取り組んでいるのは執筆活動だけではありません。私は11歳のころから写真撮影に大きな興味を抱き、この分野でも積極的に活動してきました。少年期に芽生えたその関心は、今では一種のパラレル・ライフ、すなわち私の生活のもう一つの面を構成するまでになっています。私たちの周りの物理的現実を私がどのようにとらえたかをきわめて解像度の高い画像に焼き付けることにとくに関心があり、これまでに東京と北京で写真展を開いています。このサイトでは私の活動のそちらの面もご覧いただくつもりです。
このサイトをぜひまた覗いてみてください。そして、私と話したいと思われたら、どうぞご遠慮なくコメントをお寄せください。
心をこめて
カレル・ヴァン・ウォルフレン
©
© 
